11月1日(木)サッカー部選手権長野県予選準決勝結果

 10月27日(土)に松本市のサンプロアルウィンにて第97回全国高等学校サッカー

試合を終え、松本第一の選手達と握手をする上田西イレブン。

選手権大会長野県予選準決勝が行われ、前回の覇者で大会連覇を狙う上田西は松本第一と対戦。延長までもつれる接戦となったこの試合は、延長後半6分にDF藤田英輝による均衡を破る劇的な得点が決勝点となり、見事上田西が勝利した。上田西の次戦は準決勝で松商学園に逆転勝利を収めた東京都市大学塩尻と。全国大会の切符を賭けた決勝戦は11月3日(土)12時よりサンプロアルウィンで行われる。

藤田、延長後半劇的弾

 昨年同様、今年も松本第一と準決勝で対戦した上田西。今年も1点を争う緊迫した試合となった。前半、後半ともに両校に点が入ることはなく、試合は延長戦へ突入。2年連続のPK戦が現実味を帯びてきたが、西高生待望の瞬間は延長後半6分に訪れた。MF井出大輔が投じたロングスローにDF藤田英輝が反応。直接頭で合わせるとボールは相手GKの手に当たり、ゴールに吸い込まれた。得点を決めた藤田はこのシーンを「練習してきた得点パターン」と話す。白尾監督は「何度もあったチャンスをなかなかものにできなかった」と試合を振り返ったが、練習してきた成果がしっかり発揮された得点であった。藤田自身も、「前半はうまくいかなかったが、後半は積極的にゴールを狙っていった」と苦しみながらも競り勝った試合を振り返った。
 昨年はFWとして全国のピッチを経験していた藤田だが、監督の「守りからチーム勝利へ貢献してほしい」という話を受け、DFに専念。ポジションはDFの藤田だが、昨年の田嶌遼介と同様今年は井出がロングスローからのセットプレーでチャンスを演出し、CBでコンビを組む小宮山仁とともに強さを生かした攻撃を仕掛ける。セットプレーは決勝でも1つの得点源となるだろう。
 伝統の「堅守速攻」は今年も健在。また、昨年と同様に、チームは「全員守備・全員攻撃」を掲げている。チームコンセプトを体現する藤田を始めとする上田西イレブンに創部初の連覇の期待がかかる。(下谷梓)

 

延長後半6分MF井出大輔からのロングスローをDF藤田英輝(写真左)が頭で合わせ決勝点をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決勝は東京都市大学塩尻高校と 今季負け越しの相手 先制点が勝利へのカギか

 3年ぶりの頂点を狙う東京都市大学塩尻高校との今期の戦績は1勝2敗。総体では上田西が3対2で勝利、リーグ戦では2度対戦し、いずれも1対2で敗れている。ここまでの両校は都市大塩尻が14得点2失点、上田西が15得点1失点とほぼ互角。上田西の主将FW田中悟は「都市大塩尻は個々の技術が高くて、技術面では負けている」と分析。都市大塩尻の得意とするサイド攻撃に対して白尾監督は「東海大相模、宮崎日大、清水エスパルスUー18など強豪との練習試合を重ねたので自信を持ってできるはず」とディフェンス面に自信を見せた。さらに、「PK以外で失点していないので、なんとしてでも1点をとって安定した試合をすることが重要となってくる」と続けた。
 準決勝で決勝ゴールを挙げたDF藤田は都市大塩尻について「ワントップの相手FWと10番のMF金子恭介選手を抑えたい」と話した。今年のチームは去年に比べ緊張しやすいという。連覇へかかる期待を意識しすぎず、去年は去年、今年は今年と割り切ってプレーしていくことが大切となるだろう。田中主将は決勝に向けて「気持ちで負けずに先制点を取って流れを作っていきたい」と意気込んだ。 (羽毛田莉歩)

写真:宮島純夏 奈良本梓