硬式野球部交流戦

交流戦主将を務めた井出慶祐

 令和元年6月28日(金)に第8回目となる上田西高校対佐久長聖高校の交流戦が開催された。交流戦とは、上田西、佐久長聖の選手権大会でベンチ入りできなかった3年生の選手たちによる事実上の引退試合。
 今回の交流戦は午後5時に上田西のマネジャー内堀実咲(進学3年=丸子北)による始球式で幕を開けた。上田西は交流戦の主将を務める井出慶祐(進学3年=臼田)が中心となり、メンバーは3年間の想いをこの試合に懸けた。0-1で迎えた1回裏上田西高校の攻撃。1アウト1、2塁から4番藤牧碧空(進学3年=佐久東)がレフトへ同点タイムリーを放ちすぐに同点に追いつく。3回裏にはノーアウト満塁から丸山和真(進学3年=浅科)、東福寺祐太(進学3年=広徳)のタイムリーなどにより6-1と一挙5点を挙げた。5回表、上田西投手陣は、佐久長聖の強力打線に捕まり、6-7と逆転された。8回表に6-8と点差が広がるが、その裏に大島瑠斗(進学3年=飯綱)のタイムリー二塁打で7-8と1点差に詰め寄る。しかし、そのまま逆転とはならず惜敗した。

打率10割を記録した大島瑠斗。塁上でのガッツポーズが印象的だった。

 試合後、上田西の選手達は、口を揃えて、「やり切った」と話した。何度も守備でピンチを凌いだ東福寺は、「人生で1番良いパフォーマンスができた。練習は絶対に裏切らない」と笑顔で話した。交流戦で打率10割を記録した大島は「仲間や吹奏楽やチアの応援団、支えてくれる人がいたからこそのヒット」と話した。交流戦の主将を務めた井出は「始めは思い通りにいかないことが多々あったが、このメンバーで一緒に試合ができて最高の時間となった。次は選手を支える立場としてチームに貢献していく」と決意を表明した。硬式野球部主将の宮坂愛斗(進学3年=上田第六)は、「交流戦メンバーの想いを背負い、甲子園へ全員を連れて行く」と話した。1日だけの背番号を背中にまとってプレーしている選手の姿はとても輝いていた。決してこの試合は思い出作りのためではなく、全員の想いを背負い受け継ぐための甲子園への初戦ではないだろうか。
(文・中村泉咲 写真・長坂萌衣子、奈良本梓)